島田香織は声を聞いて見ると、その女性はとても美しく、女性である自分でさえ見とれてしまった。
「こんにちは、あなたは...」島田香織は微笑みながら、躊躇いがちに尋ねた。
「アンナと申します。陸田健児の友人です」アンナは花のように微笑みながら、島田香織に手を差し出した。
島田香織は少し驚いたが、笑顔でアンナと握手を交わし、手を引っ込めると「こんにちは、安田さん」と言った。
「島田お嬢様も今夜のチャリティーパーティーに出席されるのですか?」アンナは島田香織を見つめながら尋ねた。
「はい」島田香織は丁寧に答えた。
アンナは島田香織をじっくりと観察してから、「島田お嬢様、失礼ながら、このドレスはあなたにはもったいないですわ」と言った。
島田香織は興味を持ち、アンナを見つめながら「安田さんはなぜそうおっしゃるのですか?」と尋ねた。
「島田お嬢様はスタイルが素晴らしいので、体のラインを活かしつつ、上品さも演出できるドレスを選ぶべきです」アンナは言いながら、近くにあった薄緑色のドレスを島田香織に手渡し、「このドレスがお似合いですよ」と言った。
島田香織は白いドレスを脱いで、薄緑色のドレスを試着してみると、確かに薄緑色のドレスの方が自分に似合っていた。
「ありがとうございます、安田さん」島田香織は心から感謝した。
「どういたしまして。島田お嬢様は陸田健児の友人ですから、私の友人でもあります」アンナは笑顔で答えた。
島田香織はドレスを持って外に向かい、藤原航も服を選び終えていた。
藤原航は薄緑色のドレスに目を向け、「このドレス、とても似合っていますよ」と褒めた。
「はい」島田香織は軽く微笑んだ。
彼女は携帯を取り出し、陣内美念に電話をかけた。家に着くと、陣内美念は5着のドレスを抱えて向かいから出てきた。
陣内美念は島田香織が持っているドレスを見て眉をひそめ、「香織、最近薄緑色のドレスが好きなの?既に一着選んだのに、どうしてこんなに薄緑色のドレスを持ってこさせたの?」
「一番気に入ったものを選びたいの」島田香織は陣内美念を見つめながら笑顔で答えた。
...
夜。
オークションが始まる前、全員がダウンジャケットを着て、ドレスを隠していた。
島田香織と藤原航が一緒に現れると、全員の視線が二人に集中した。
「どうして二人が一緒なの?」