385 思いやり

しかし、彼女を不安にさせたのは、藤原航が以前彼女に対してとても残酷だったのに、心の底で彼をまだ信じているということだった。

頭がおかしくなったのだろうか?

島田香織はダウンジャケットに顔を埋めた。寒さはすべてこのダウンジャケットに遮られているようで、少しも寒さを感じなかった。

スキー場は山頂に建てられており、雪の降る天気の中、ゴンドラで上がるのに30分かかった。

二人がスキー場に着いたのは既に9時半で、二人ともスキーができたので、直接用具を買って入場した。

着替えを済ませ、二人はスキー場に来た。見渡すと、まだ多くの人が興奮してスキーを楽しんでいた。

藤原航は島田香織をじっと見つめ、眉をしかめながら、静かに言った。「こっちに座って。」

島田香織は不思議そうに藤原航を見て、彼の方へ歩いていき、素直に藤原航の隣のベンチに座った。何か言おうとした時、藤原航が既に彼女の前にしゃがみ込んでいるのを見た。