翌日。
島田香織が会社のオフィスに着くと、奈奈さんが小包を持って入ってきて、それを島田香織に渡しながら言った。「島田お嬢様、今朝届いた小包です。」
島田香織は軽く頷いた。最近オンラインショッピングはしていないし、陣内美念は恋に夢中で、きっと彼女にプレゼントを用意する余裕もないはずだ。
しかも、これは書類の速達便だった。
不思議だ、一体誰が送ってきたのだろう。
「分かったわ、お仕事に戻って。」島田香織は冷淡に応えた。
奈奈さんが出て行った後、島田香織は好奇心を持って小包を見つめた。配送伝票には明確に書かれていて、同じ市内からの配達で、差出人の電話番号も名前も見覚えのないものだった。
これは市の西側から送られてきたもので、あの辺りはありとあらゆる人がいる、玉石混交の地域だ。
これは面白くなってきた。
島田香織は唇の端に軽い笑みを浮かべ、封筒を開けると、中身が全部こぼれ出た。
封筒の中には多くの写真が入っていて、島田香織は一目で写真の中の藤原航を見つけた。
もちろん、写真には藤原航だけでなく、ある女性も写っていた。
この女性にどこか見覚えがあり、島田香織はしばらく考えてから、すぐに思い出した。スキー場で出会った中島家のお嬢様だ。
島田香織はこれらの写真を丁寧に見ていった。写真の中の二人はとても親密そうに見えた。
中島夏美が藤原航の前にある飲み物を取ろうとしている写真。
中島夏美が立ち上がって身を乗り出し、藤原航を見つめている写真。
中島夏美が足を上げて藤原航の足に絡めようとしている写真もあったが、藤原航の足はすでに避けていた。
……
島田香織は誰がこの写真を送ってきたのか分からなかったが、相手があまりにも愚かだと感じた。中島夏美が藤原航の足に絡もうとしている写真を入れるべきではなかった。これでは藤原航の潔白を証明することになってしまう。
この人は本当に馬鹿すぎる。
島田香織は黙って写真を片付けながら、写真に写っている藤原航の姿は確かに目の保養になると思わずにはいられなかった。
写真を送った人は、彼女と藤原航を喧嘩させて別れさせたいのだろう。
でも、彼女と藤原航は一度も付き合ったことがない。その人がこれらの写真を送ってきたのは全くの無駄骨だった。
島田香織は奈奈さんに藤原航を呼んでくるように言った。