香織が気を取られている間に、リビングの雰囲気が再び甘くなってきた。
香織は全身が熱くなるほどキスされ、頭がぼんやりとして、藤原航の手が触れた場所がじんじんと熱くなっていた。
香織がぼんやりと返事をすると、その時、藤原航の声が聞こえた。
「見せてごらん、僕の宝物が僕をどれだけ恋しがっているか……」
そう言いながら藤原航は香織を仰向けにし、その上に覆い被さった。
こうして、香織は完全に食べ尽くされ、最後には許しを請う声すら出なくなり、藤原航の体の上に倒れ込んで、まったく動く気力もなくなっていた。
暖房が効きすぎていて、藤原航の体も熱かったため、香織は全身が熱くなり、藤原航を押しのけようとしたが、どうしても動かすことができなかった。
このまま藤原航は香織を抱きしめてソファーに横たわり、床には服が散乱し、テーブルの上のラーメンは冷め切っていた。
香織の視線が偶然そのラーメンに落ち、今回の元凶はこれだったと思い出し、今すぐゴミ箱に捨ててしまいたいと思った。
しかし今は体に余分な力が残っていなかった。
しばらくして、香織はようやく言った。「起きましょう、お風呂に入りたいわ。」
満足した猫のような男は、全身がリラックスしていた。彼は香織を見下ろし、軽く額にキスをして、低く掠れた声で言った。「抱っこしていくよ。」
そう言うと、藤原航は香織の抵抗を許さず、直接寝室のバスルームまで抱きかかえた。
バスルームでは、二人はもう一度愛し合った。
香織は疲れて少しも動きたくなかった。
先ほど二回も騒いだため、もう午後4時になっていた。
香織はベッドの端に座り、藤原航に髪を乾かしてもらいながら、自然と彼の肩に頭を預けて眠りについた。
藤原航は香織が眠っているのを見て、ドライヤーの音を更に小さくし、髪を乾かす動作をより優しくした。
30分後、香織の髪が完全に乾いた。
藤原航は片手でドライヤーを元の場所に戻し、そっと香織を枕の上に寝かせた。夢の中の香織は何か良い夢を見ているようで、唇の端が微かに上がっていた。
藤原航は香織に布団をかけてから、部屋を出た。
部屋を出た時、彼の表情は厳しいものに変わった。
鈴木グループの買収計画は予定通り進んでいたが、彼の設計案が漏洩したことについては、まだ調査する必要があった。