しらゆりマンションに戻ったのは、すでに夜の9時だった。
その時、飲んだお酒を吐き出したものの、避けられないことに一部は吐ききれなかった。
今、体の中で火が走り回っているような感覚があった。
エアコンを最大に冷やしても、ベッドに横になっても寝返りを打つばかりで眠れなかった。
それどころか、時間が経つにつれて、体はますます熱く渇いていった。
工藤みやびは起き上がり、浴槽いっぱいに冷水を張り、冷蔵庫から氷も全部入れた。
全身を刺すような冷水に浸かると、不快な熱さがようやく少しずつ冷えていった。
以前は、どんな困難に遭っても、どんな危険に直面しても。
彼女は工藤司が必ず自分を見つけ出し、必ず守ってくれると信じていた。
でも今は、彼は彼女を探しに来ることはない。
今、彼が守っているのは堀夏縁、彼女を殺し、彼女の心臓を奪って生き延びた女だ。