帝都第一総合病院。
竹内家と中山家の人々が病院に駆けつけ、大谷媛の手術結果を待っていた。
大谷媛の母親である竹内家純が駆け寄り、憎々しげに中山里奈を睨みつけ、彼女の鼻先を指さして罵った。
「もし媛に何かあったら、許さないわよ」
山本蘭は娘の腫れ上がった顔を見て、すでに腹を立てていたが、今竹内家純が来て自分の娘を責めるのを見て、我慢できずに反論した。
「里奈が彼女の足を捻挫させたわけじゃないわ、彼女自身がダンスで不注意に足を怪我したのよ…」
「あなたは…」竹内家純がまさに罵ろうとしたとき、優雅な服装の女性が歩いてくるのを見て、急いで態度を改めた。
「藤島先生、こんな遅くにどうしてここに?」
「里奈のケガが心配で、様子を見に来たの。医者は何と言ってる?」
来訪者は、大谷媛が帝都バレエ団で師事している藤島玉枝だった。