第90章 私は彼のことを藤崎おじさんと呼んでいる

しらゆりマンション。

手を怪我したため、工藤みやびはやむを得ずさらに二日間の休暇を取って家で療養することになった。

朝、藤崎雪哉たちが会社に行った後、天水ヴィラの家政婦の山本おばさんが食材を持ってやってきた。簡単に挨拶を交わした後、彼女は朝食の準備を始めた。

学校には行かなかったが、みやびも早起きして家で本を読み、授業の復習をしていた。

午後6時、鈴木紀子と西村千晴が放課後に電話をかけてきて、見舞いに来たいと強く要望した。

どうせ藤崎雪哉たちにはもう会っているし、彼女はすぐに二人に住所を教えた。

30分もしないうちに、二人は大小の袋に食べ物を詰めて訪ねてきた。

「手は大丈夫?」西村千晴は昨夜の彼女の手の傷からかなりの血が出ていたことを思い出し、心配そうに尋ねた。

「大丈夫よ、数針縫っただけだから、10日か2週間もすれば治るわ」工藤みやびは二人をリビングに案内して座らせた。