第92章 本当にとんでもない

試験で間違えた問題が多すぎたため、その後の二日間、彼女は家で必死に問題を解いていた。

午後、藤崎雪哉は早めに仕事を切り上げて帰宅し、彼女がまだリビングのテーブルで苦々しい表情で問題を解いているのを見て、優しく声をかけた。

「みやび、着替えて、病院で包帯を替える時間だよ」

工藤みやびはペンを置き、部屋に戻って着替えようとしたが、クローゼットを開けると自分の古い服が全て姿を消し、代わりに一流ブランドの最新シーズンの服が並んでいた。

彼女はドアを開け、リビングで待っている藤崎雪哉に尋ねた。「私の服はどこ?」

午後、山本おばさんが部屋の片付けを手伝うと言っていたが、これが片付けの内容だったのだ。

「クローゼットにあるのは全部君のだよ」と藤崎雪哉は言った。

「私の古い服のことを聞いてるの」工藤みやびは怒りを抑えながら言った。