夜中、藤崎雪哉は書斎で仕事を終えて出てきた。
そして気づいたのは、彼女が本当にソファで丸くなって眠っていたことだった。
慎重に彼女を抱き上げて部屋に連れて行き、自分の部屋に戻って着替えるパジャマを取りに行った。
ドアを開けると、藤崎千颯が彼のベッドに座って元気よくゲームをしているのが見えた。
藤崎千明は彼が入ってきたのを見ても、彼の部屋を占領していることに少しの罪悪感もなく、にこにこと手柄を自慢した。
「兄さん、こんな良いチャンスを作ってあげたんだから、感謝してくれてもいいんじゃない?」
藤崎雪哉は服を取り、無表情で言った。
「二度とするな。」
「だからさ、早く藤崎の二の若様を追い出せばいいんだよ。あいつは電灯役以外何もできないんだから。」藤崎千明はスマホを置き、誇らしげに胸を叩いた。
「でも俺、三男の俺は違うんだ。俺という神助っ人の三男がいれば、兄さんは毎日柔らかな玉と温かな香りを抱きしめるチャンスがあるんだぞ。」
藤崎雪哉は彼を横目で見て、「暇なのか?」と言った。
「兄さん、あと二ヶ月でお義姉さんは撮影に入るんだよ。撮影が終わったら宣伝活動やら何やらで、その時にも毎日会えると思う?」藤崎千明は親切に忠告した。
藤崎雪哉は服を持って出て行き、出る前に一言残した。
「お前の持ち物は地下倉庫にある。」
「おお、やっぱり!兄さんは本当の兄貴だ!」藤崎千明は興奮してベッドから飛び降り、倉庫に行って久しぶりの宝物たちを取り戻す準備をした。
会社を放り出して逃げ出したため、彼の十数台のスポーツカーコレクションは没収され、彼が経営していたゲーム会社も藤崎の次男坊に渡されていた。
彼はもう、あの宝物たちは二度と戻ってこないと思っていた。
藤崎雪哉は身支度を整え、パジャマに着替えて、そっと工藤みやびのベッドに横になった。
身を屈めて熟睡している少女の額に軽くキスをし、満足して目を閉じて眠りについた。
工藤みやびは熟睡していたため、自分がソファからベッドに運ばれたことなど全く知らず、朝まで良い夢を見て眠り続けた。
藤崎雪哉はいつも早起きだったが、今日は目が覚めても起き上がらなかった。
代わりに、横向きに寝て片手で頭を支え、優しい眼差しでまだ熟睡している少女を見つめていた。
しばらくして、ベッドサイドの目覚まし時計が鳴った。