第139章 一緒に藤崎千明の映画を見る

二人は少しのお菓子と飲み物を持って階下に降り、次の階の家庭用小シアターに着いた。

「何を見たいか選んでみて?」

藤崎雪哉はそう言いながら、電気をつけ、カーテンを閉めた。

工藤みやびは映画が置いてある棚に駆け寄って少し探してみた。藤崎千明が出演した映画がどんなものか気になったので、彼の最近公開された映画を一本選んだ。

「これにしましょう、三の若様の新作です」

藤崎雪哉はそれを受け取ってプレーヤーに入れ、部屋の電気を消してソファに座った。

片手をみやびの背後のソファの背もたれに置き、長い脚を組んで、全体的にリラックスした様子で気ままな雰囲気を醸し出していた。

映画は軽いラブコメディで、冒頭は軽快でユーモラスだった。

藤崎千明の演技は最高とは言えないが、それほど不自然でもなかった。