第152章 LINEの連絡先名がまさか「ベイビー」?

「今は会わせられないわ。適切な機会を待って、早く出て行って」

最近でさえ色々あったのに、もし藤崎奥様と丸山みやこが彼らの関係を知ったら。

藤崎奥様はあらゆる手段で彼らを引き離そうとするだろうし、丸山みやこは既に彼女と確執があるのに、彼女が彼の彼女だと知ったら、きっとあらゆる方法で彼女に対抗しようとするだろう。

彼女はこの数日間を平穏に過ごし、それから撮影現場に行って撮影に専念したいと思っていた。

藤崎雪哉は表情が少し険しくなり、部屋のドアを閉めて、一人でリビングに向かった。

藤崎奥様がリビングに来て、声を聞いて尋ねた。

「雪哉、誰と話していたの?」

藤崎雪哉は先ほどまでのリラックスした表情から、人前でいつもの冷淡な様子に自動的に切り替わった。

「電話だよ」

藤崎奥様は持ってきたフルーツとケーキをテーブルに置き、微笑んで言った。