第162章 空虚寂しい冷たい、誰かと寝る必要がある

村上社長は彼女の眼差しに一瞬たじろいだが、すぐにまた軽薄に鼻を鳴らした。

「山本守と寝るのはいいのに、俺とはダメなのか?」

以前は山本守がなぜいつも若い新人を弄びたがるのか理解できなかった。

今になってようやく、若い女の子のあの瑞々しくて新鮮な感じは、他の女優がどんなに演じてもかなわないものだと分かった。

工藤みやびは相手がドアの枠に手をかけている様子をちらりと見た。今夜彼を部屋に入れなければ諦めないという構えだった。

「村上社長、私の部屋は都合が悪いので…別の場所にしませんか?」

「いいよ、場所を変えよう。君の言うところならどこでも…」村上社長は彼女が妥協したのを見て、急いで手を伸ばし彼女の体に触れようとした。

「村上社長、何を急いでるんですか」工藤みやびは手を伸ばして彼のネクタイを掴み、笑いながら言った。「目を閉じてください。私がご案内します」