第164章 彼は俺の胸を触った2

工藤みやびはゆっくりと藤崎千明の部屋に向かい、ドアの前で鼻を青く腫らした村上社長を一目見て、満足げに頷いた。

藤崎千明の手腕は、やはり彼女を失望させなかった。

彼女は本来自分で手を下すつもりだったが、自分が手を下した後の様々な面倒を考えると。

我慢して、その人を藤崎千明のところに連れてきた。

どうせ、藤崎の三の若様の身分なら、たとえ人を半殺しにしても、村上社長も天盛グループも何も言い返せないだろう。

彼女はドアの前でちらりと見ただけで、振り返って石橋林人を呼び、朝食を取りに階下へ向かった。見物する興味は全くなかった。

石橋林人はエレベーターに乗り、他に人がいないのを確認してから尋ねた。「竹内薫乃がやったの?」

彼女は昨夜部屋に戻ってから、彼に起きたことをメールで伝えていた。