第187章 体が空っぽになったみたい

朝の七時。

工藤みやびは目覚まし時計で起こされ、藤崎雪哉がすでに出かけていたことに気づいた。

彼女は洗面を済ませ、髪をとかしながらテーブルに置かれたケーキとプレゼントの箱に気づき、開けてみた。

プレゼントはダイヤモンドのイヤリングで、とても精巧で美しく、一目で名工の手によるものだとわかった。

裕福な工藤家で育った彼女は、こういった高級品に慣れており、一目でその価値がわかる目利きになっていた。

彼女はプレゼントを置き、ケーキを少し食べて、残りを部屋の小さな冷蔵庫に入れた。

結局、帝都からはるばる持ってきてくれたものだから、そのまま捨てるわけにはいかなかった。

彼女は出かける前に、藤崎雪哉が残した痕跡をすべて片付け、ドアを出ようとしたとき、ベッドの端に掛けられたバスタオルに気づいた。