朝の七時。
工藤みやびは目覚まし時計で起こされ、藤崎雪哉がすでに出かけていたことに気づいた。
彼女は洗面を済ませ、髪をとかしながらテーブルに置かれたケーキとプレゼントの箱に気づき、開けてみた。
プレゼントはダイヤモンドのイヤリングで、とても精巧で美しく、一目で名工の手によるものだとわかった。
裕福な工藤家で育った彼女は、こういった高級品に慣れており、一目でその価値がわかる目利きになっていた。
彼女はプレゼントを置き、ケーキを少し食べて、残りを部屋の小さな冷蔵庫に入れた。
結局、帝都からはるばる持ってきてくれたものだから、そのまま捨てるわけにはいかなかった。
彼女は出かける前に、藤崎雪哉が残した痕跡をすべて片付け、ドアを出ようとしたとき、ベッドの端に掛けられたバスタオルに気づいた。