藤崎千明は工藤みやびと自分の実の兄を見て、ふと何かを悟り、ゆっくりと藤崎雪哉の方を向いた。
藤崎雪哉は三人に見られ、箸を持つ手が思わず震え、目線も後ろめたさからちらついて定まらなかった。
本来は藤崎千明を陥れるつもりだった。兄が彼らのCPの噂を見たら、まず藤崎千明を懲らしめるだろうと思っていた。
しかし、計算外だったのは、兄がこれほど女を優先するとは。
彼女の一言で、少しの躊躇もなく彼を売ったのだ。
藤崎千明は殺気に満ちた目で、一言一言を歯の隙間から絞り出すように言った。
「藤!崎!の!次!男!坊!」
藤崎千颯は干笑いし、箸を投げ捨てて逃げ出した。
藤崎千明はテーブルを叩き、追いかけながら罵った。
「藤崎の次男坊、お前、俺を陥れるのが癖になってるのか?」
「前は兄弟のためなら命を懸けるとか言ってたくせに、お前は振り向いて俺に刃を突き立てるのか!」