第292章 ゴシップ社長藤崎千颯

藤崎千明は、あと一日か二日もあれば、あのゴシップ社長が誰なのか調べられると思っていた。

しかし、翌日の撮影が終わると、マネージャーの宮本明人は相手がちょっとした手段を持っているようで、会社はその人物が誰なのか突き止められなかったと言った。

藤崎千明は怒り心頭で、隣の工藤みやびの部屋のドアをノックした。

「お義姉さん、頼みがあるんだけど、兄さんに頼んであのゴシップ社長がどいつなのか調べてもらえない?」

彼の会社の人間が調べられなかったので、家族の力を借りるしかなかった。

しかし、三浦大也はいつも長兄の命令しか聞かず、彼と藤崎千颯には全く従わなかった。

工藤みやび:「あなたの実の兄なんだから、自分で頼みなさいよ」

「頼んだけど、相手にしてくれないんだ」藤崎千明は不満げに言った。