「そうなの?私はあなたたちが私を騙そうとしてるのかと思ったわ」
「まさか、あなたを騙すなんて自殺行為だよ」藤崎千明は取り入るように笑った。
工藤みやびは頷き、にこにこしながら言った。
「わかってるならいいけど、何か怪しいことがあったら、最悪、小分隊のことを全部あなたのお兄さんに話すわよ」
彼は信じていなかった。彼らがそう簡単に諦めるはずがない。
そうでなければ、どうして自殺小分隊を再結成するだろうか。
昨夜きっとまた集まって何か復讐計画を練っていたに違いない。わざと彼に隠して、彼女を計算に入れていたに違いない。
だから、後で何か怪しいことがあれば、百パーセント彼らの仕業だ。
「……」藤崎千明の笑顔が凍りついた。
以前は兄を怒らせられなかったが、今は彼女を怒らせることもできない。