第304章 あなたが欲しい、今すぐに

工藤みやびはもちろんこの二人が誰なのか知っていたが、今は荒木雅として彼女が知っているはずがなかった。

藤崎雪哉がそう言うのを聞いて、わざとその意味を曲解した。

「丸山みやこはあなたがこういうセクシーで美しい女性が好きだと言っていたけど、本当だったのね。」

彼女はそう言いながら、彼のネクタイをぐいと引っ張った。「何のために探しているの？」

藤崎雪哉は彼女が妙に嫉妬している様子を見て、可笑しくも愛らしく感じた。

「僕はそういうタイプは好きじゃない。君のようなタイプだけが好きだ。」

「嘘ばっかり、あの人たちは胸も大きくて脚も長いじゃない。男はみんなそういうタイプが好きでしょ。」

工藤みやびは理不尽に食い下がり、彼にパソコンに触れさせなかった。

「好きじゃないよ。」藤崎雪哉はそう言うと、彼女を椅子から持ち上げて抱きかかえた。