第324章 彼女とスキャンダルを起こしたい人がいる(追加更新)

藤崎雪哉は立ち上がって彼女を抱きしめ、頭を下げて深く口づけした後に言った。

「君が恋しくて、そのまま乗り継いで来たんだ。」

工藤みやびの口角には甘い笑みが素早く浮かんだ。なるほど、飛行機を降りたら家にも寄らずに、そのまま乗り継いで来たというわけだ。

「仕事は?放っておいたの?」

彼は出張で10日ほど離れていた。会社には彼が処理すべき山積みの仕事が待っているはずだ。

「藤崎千颯に先に帰ってもらった。」と藤崎雪哉は言った。

彼が決断しなければならない事項を除けば、ほとんどの問題は千颯でも対処できる。

工藤みやびは彼をちらりと見て、「なるほど、二少爺はあなたの労働力として使われているわけね?」

藤崎雪哉:「そうでなければ、何のために養っている?」

工藤みやびは言葉を失い、帝都で残業している労働者・藤崎千颯に一秒だけ心の中で同情した。