まるで、この一言が本当に効果があったようだ。
藤崎雪哉は笑った。「本当に?」
「金より真実よ」工藤みやびは軽やかに笑いながら言った。
藤崎雪哉の声は明らかに以前より数段楽しげになった。「もう遅いから、早く休みなさい」
「えっ、そんなのずるいわ。私があなたに言ったのに、あなたは何も言い返してくれないの?」
工藤みやびは彼が電話を切ろうとしているのを聞いて、憤慨して尋ねた。
藤崎雪哉の低くて甘い声には、少しの笑みが含まれていた。
「愛してる」
工藤みやびは満足げに笑い、それからようやく彼におやすみを言った。
「早く休みなさい、おやすみ」
……
帝都、しらゆりマンション。
藤崎千颯は目を見開いて呆然と藤崎雪哉が電話を終えるのを見ていた。今まさに荒木雅とあのイケメンの件を調査しているというのに、彼は自分の前で愛の告白をしていた。