藤崎グループ本社。
藤崎雪哉は数名の会社幹部と会議中で、時計を見て藤崎千颯に言った。
「ロックの資料が届いているはずだ」
藤崎千颯は秘書が持ってきたコーヒーを受け取り、兄のメールアカウントにログインして最新のメールを開いた。
コーヒーを飲みながら、資料を下にスクロールして見ていく。
メールの画像が表示された瞬間、驚いてコーヒーを画面に吹き出してしまった。
藤崎雪哉と数名の会社幹部が一斉に、幽霊でも見たような顔をした藤崎千颯を見つめた。
藤崎千颯はコーヒーカップを置き、奇妙な表情で言った。
「兄さん、おそらく…二人だけで数分話す必要があるかも」
藤崎雪哉は少し黙った後、「10分休憩する」と言った。
会社幹部たちは空気を読んで会議室を出て行き、二人だけの空間を残した。
藤崎千颯はパソコンの画面を拭き、ノートパソコンの画面を兄に向けて言った。