第444章 本間壮佑との秘密会見

工藤みやびは沈黙の後、断固として答えた。

「信じています、彼はそんなことしません」

「君はかつて...工藤司を信じていたよね、でも彼は君を見捨てただけでなく、君の心臓を堀夏縁に移植した」本間壮佑は重々しく言った。

藤崎家と工藤家の因縁については彼はよく知っていた。藤崎家の人間が工藤家出身の彼女を受け入れるはずがない。

一度死んだ経験がある彼は、彼女が再び感情によって傷つくのを見たくなかった。

「師匠、私は彼を信じています。たとえあなたが心配するような事態になっても、後悔はしません」工藤みやびは決然と言った。

自分で選んだ道、自分で選んだ男、たとえ藤崎雪哉の手の中で粉々に砕けても、彼女に後悔はなかった。

本間壮佑は長いため息をついて言った。

「すべては、会ってからだな」

他のことでは機転が利くのに、恋愛に関しては一度のめり込むと自分の心臓も肺も肝臓も全部取り出して相手にあげたいと思うほどだ。

工藤みやびは本間壮佑との通話を終え、バスルームに入って身支度を整え休もうとした。

しかし、鏡の中の自分を見つめ、一瞬恍惚とした。

彼女は彼を信じると言いながらも、彼が彼女と工藤家のもつれを知ることを恐れていた。

知ってしまえば、彼は今の彼女以上に矛盾し、さらには苦しむだろう。

一方には家族の血の恨み、もう一方には工藤家に育てられた彼女がいる。

彼にそのような選択を迫りたくなかった。だから過去の自己を埋め、荒木雅でいるだけでよかった。

『追跡の眼』のヒットにより、彼女の最近のスケジュールはびっしりと詰まっていた。

そして本間壮佑との約束の日は、忙しさの中であっという間に訪れた。

石橋林人はすでにおもちゃやお菓子を車いっぱいに買い込み、児童福祉施設に車で向かい、彼女が持ってきたおもちゃやお菓子を子供たちに配るのを手伝った。

本間壮佑と本間夢がここにいることは知っていたが、来てすぐに彼らを探すわけにもいかなかった。

そうすれば、藤崎雪哉が手配したボディガードに疑われるだけだ。

前回の本間夢の件で、藤崎雪哉はその後彼女に何も聞いてこなかったが、彼の性格からして確実に彼らのことを調査しているはずだ。

幸い、師匠は本間夢のように軽率ではなく、会うたびに彼女にトラブルを引き起こすようなことはなかった。