やっとのことで、工藤みやびたちは福くんをなだめることができた。
小さな子はおとなしくビスケットを食べながら、ソファに座ってアニメを見ていて、泣いたり騒いだりしなくなった。
ただ、工藤みやびと藤崎雪哉の父と母が一緒に座っていると、少し不安になった。
藤崎奥様はずっと彼女をあまり好きではなかったし、藤崎正男とは藤崎家に住んでいた時に会ったことはあるが、あまり接触はなかった。
今、彼らがここに来たということは、彼女が事故に遭ったこの期間に、彼らはすでに彼女と藤崎雪哉の交際のことを知ったのだろう。
今日一緒に来たのは...もしかして仲を裂いて、二人を別れさせようとしているのだろうか?
彼女は不安そうに指を絡ませながら、藤崎千颯たちも姿を消し、藤崎雪哉も書斎に行ってしまった。
「みやびさん、あなたと雪哉のことは、最近千颯たちから聞いたわ」と藤崎奥様は彼女を見つめ、一言一言丁寧に言った。
工藤みやびは両手を膝に置き、とても大人しく座っていた。
「奥様、最近...ご迷惑をおかけしました」
彼女の隣に座っていた藤崎お婆さんは、手を伸ばして彼女の手を軽くたたき、安心して怖がらないようにと示した。
「先日、雪哉も言っていたわ、しばらくしたらあなたを連れて帰って結婚の話をすると...」
藤崎奥様は彼女の緊張した様子を見て、少し困ったように息をついた。自分はそんなに怖い人だろうか?
工藤みやびは驚いて瞬きをした。彼は家族に話したの?
彼女は、二人でこっそり婚姻届を出して、せいぜい藤崎千颯たち親しい人たちを呼んで小さな結婚式を挙げればいいと思っていた。
まさか、彼が家族にも話していたとは。
ただ、藤崎奥様は彼女をあまり好きではないので、おそらく同意しないだろう。
藤崎奥様は彼女がますます緊張している様子を見て、直接言った。
「私たちの考えは、あなたはまだ若いけれど、雪哉はもう若くないから、結婚するなら早い方がいいということよ...」
「...」
工藤みやびは呆然と藤崎奥様を見つめた。これは...彼女と藤崎雪哉の結婚に反対していないということ?
藤崎奥様は数分待ってから、彼女が黙っているのを見て再び尋ねた。
「あなたは同意しないの?」
工藤みやびは首を振った。「いいえ、ただ...奥様は反対しないんですか?」