第501章 藤崎雪哉、子供が欲しいですか？2

工藤みやびは不思議そうに眉をひそめ、彼を追いかけて尋ねた。

「どうして？」

去年、彼女は妊娠していなかったが、彼は彼女が妊娠したと思っていた。あの時、明らかに子供が欲しそうだった。

今、結婚の話が日程に上がったのだから、子供のことも当然考えなければならない。

「ただ欲しくないんだ」

藤崎雪哉は自分の本当の考えを、水も漏らさぬように隠した。

もし、彼女が2時間前に子供が欲しいかと聞いていたら？

彼の答えは、間違いなく欲しいだった。

しかし、あの福くんが来てからというもの、母親たちが彼の周りに集まって可愛がるだけでなく、彼女も一心にその子のことばかり考えて、彼の存在を完全に無視していた。

さらに、彼女はあの小さな存在のために、彼に文句を言った。

実の子でもないのにこうなのだから、実の子だったら、彼女は完全に子供のことだけを考えて、彼の気持ちなど全く考慮しなくなるだろう。

以前は単純に考えすぎていた。結婚は考える必要がないが、子供は...慎重に考えなければならない。

今のように、彼女の目にも心にも彼だけがいる状態に、彼は非常に満足している。

子供が増えれば、むしろ彼らの関係に影響が出る。

「なぜ欲しくないの？理由があるでしょう？」工藤みやびは根掘り葉掘り聞いた。

以前は彼女が子供を欲しくなかったのに、今は彼が欲しくないと言っている。

藤崎雪哉は彼女を抱きながら階段を上った。「理由はない。好きじゃないだけだ」

工藤みやびは考えて言った。「さっき福くんがあなたを不機嫌にさせたから？」

藤崎雪哉：「君はまだ若いんだ。子供を急ぐ必要はない」

福くんの出現は、ただ彼に子供ができたら自分がどうなるかを思い出させただけだった。

工藤みやび：「でも、あなたはもう若くないじゃない。あと1、2年で30歳になるのに...」

藤崎雪哉は足を止め、暗い表情で彼女を見下ろした。

「30歳を過ぎたら、私が君を妊娠させられなくなると疑っているのか？」

「...」工藤みやびは驚いて瞬きした。何の話だろう？

彼女はただ、彼の年齢なら父親になるべき時期だと思っただけで、彼のその能力を疑っているわけではなかった。

藤崎雪哉は彼女を見つめ、眉をひそめて尋ねた。

「君は子供が欲しいのか？」

以前、彼が提案した時、彼女はずっと子供を持つことに反対していた。