第502章 あなた以外、何も重要ではない

「……」藤崎雪哉は黙り込んだ。

工藤みやびは彼の様子を面白そうに見つめ、もうこれ以上彼と相談することにこだわらなかった。

「わかったわ、とりあえずこの問題は置いておきましょう」

どうせ、今は子供を作ることができないのだから、結婚してから考えればいい。

藤崎雪哉は彼女の額に軽くキスをして、提案した。

「この二日間の休みを利用して、どこか旅行に行きたい場所はある?」

これまで、彼らはそれぞれの仕事で忙しかった。

彼女は前から旅行に行きたいと言っていたので、この機会に出かけるのはちょうどいいだろう。

工藤みやびは彼を睨みつけた。「明日は病院に本間壮佑を見舞いに行くの。彼はまだ病院に入院しているのよ。私たちが旅行になんて行けるわけない」

それに、本間夢から連絡があって、師匠の古傷の回復が思わしくないとのことだった。