第527章 本間壮佑と本間夢は怪しすぎる

藤崎雪哉は三浦大也と話していて、彼女の表情の微妙な変化に気づいていなかった。

カーマン・ドランスが工藤家との協力関係を終わらせたなら、今こそ工藤家に対抗する時だ。

ただ、今カーマン・ドランスが本間壮佑を探そうとしているなら、彼らはまずこの厄介事に対処しなければならない。

「本間壮佑は工藤みやびの殺害に関わっていたのではないか?」

道理から言えば、本間壮佑はカーマン・ドランスの側近であり、事件が起きた後、工藤みやびの殺害についてカーマン・ドランスに最初に報告しなかった。

それどころか、こっそりと日本に隠れてきた。このような行動は...とても怪しい。

三浦大也:「正確に言うと...本間夢だ。」

工藤みやびは驚いて話している本間夢の方を見た。「あなたが言ったのは...本間夢?」

三浦大也は彼女の方を振り向いて見て、藤崎雪哉が彼女に対して隠し事をしないことを知っていたので、もう隠さずに直接言った。

「本間夢は本間家の人間ではない。彼女の本名は河村紗世で、ドランス家族と敵対しているアンダーソン家族の人間だ。」

工藤みやびはペンを持つ手が震え、病院で本間夢があの外国人に会ったこと、そして彼女が彼女に何か問題があるのかと尋ねたとき、彼女がずっと口を閉ざしていた様々な怪しい反応を思い出した。

しかし、どうして彼女が犯人なんてことがあり得るだろうか?

彼女たちは数年の付き合いで、命を懸けた仲だった。彼女がどうして自分を害するだろうか?

藤崎雪哉は彼女を見て、「雅?」と声をかけた。

工藤みやびは我に返り、自分の反応を抑えてから言った。

「私は...ただ思いもよらなかっただけ...」

藤崎雪哉は彼女に特に変わった様子がないのを見て、三浦大也との会話を続けた。

「工藤みやびが遭遇した暗殺は、アンダーソン家族が送った人間によるものだ。だから...おそらく本間夢は本間壮佑に近づき、工藤みやびの真の身分を知って、アンダーソン家族に情報を提供したのではないか?」

三浦大也:「現在の情報から推測すると、確かにそうだ。そして本間壮佑がそれに関与していなかったとしても、おそらく...知っていたのだろう...」

そうでなければ、彼は工藤みやびが暗殺された後、ドランス家族に戻らず、本間夢を連れて日本に逃げて身を隠すことはなかっただろう。