福くんはもう眠っていて、藤崎雪哉は書斎で仕事をしていたので、彼女も一緒にいるためにこちらでコンテ作りをしていた。
彼女が藤崎雪哉にお粥を食べるよう促したところで、三浦大也から電話があり、30分もしないうちに急いで別荘に駆けつけてきた。
「今しがた情報が入りました。カーマン・ドランスと工藤家はすべての協力関係を解消したそうです。」
傍らのソファでコンテを見ていた工藤みやびは、手に持っていたペンを一瞬止めた。
帰ってきてから、二人は二日間の休暇を家で過ごし、毎日甘い生活を送っていたため、彼女自身も少し前に工藤家で経験したすべてのことをほとんど忘れかけていた。
藤崎雪哉はその知らせを聞いても、特に驚いた様子もなく、手元の書類に目を通しながら三浦大也に尋ねた。
「どうやら、本間壮佑の言っていた情報は本当だったようだな。」
カーマン・ドランスがこれを機に工藤家との協力関係を解消したという反応は、彼の予想をやや超えていた。
しかし、このような情報は...彼にとって百利あって一害なしだった。
三浦大也:「亜蘭国の情報提供者によると、カーマン・ドランスは工藤みやびの死について調査しており、本間壮佑を探しに来るようです。私たちは...介入すべきでしょうか?」
本間壮佑は今、藤崎家に留まっている。もしカーマン・ドランスの人間が彼を探しに来たら、彼らを引き渡すべきか否か、この点について彼の意向を伺いに来たのだった。
藤崎雪哉は顔を上げ、向かいのソファに座っている人を見た。
「彼らを留めている以上、彼らの安全を保障するのは当然だ。」
実際、本間壮佑たちのためにドランス家の人間と敵対することは賢明な選択ではない。
しかし、彼が放っておけば、彼女が必ず関わるだろう。
だから面倒な問題だとわかっていても、彼はそれを引き受けなければならなかった。
工藤みやびは唇を噛んだ。本間壮佑が彼女を守れなかったというだけで、今カーマン・ドランスは彼女の死の責任を彼に負わせようとしているのだろうか。
しかし、本間壮佑はあの時、彼女を救うために最善を尽くし、命を危険にさらしかけたのだ。
だが、ドランス家の人間がどうしても本間壮佑を見つけようとするなら、工藤司が彼らを庇うことで、かなりの問題が生じるだろう。
三浦大也:「しかし...」