藤崎奥様は取り出して彼女の首に当ててみて、満足そうに微笑んだ。
「うん、確かにとても似合うわね。」
「おばさま……」
工藤みやびは少し困った様子で、受け取るべきか迷っていた。
藤崎奥様はそれをしまい、袋に入れて彼女に渡しながら言った。
「これからは一家族なんだから、遠慮することないわ。」
彼女と雪哉が付き合っていると知った時は、心の中で少し受け入れ難い気持ちがあった。
でも、最近千明と千颯から彼女と雪哉の関係について多くを聞いた。
彼女が女優としての道のりで成し遂げた成果も、すべて自分の努力で勝ち取ったもので、雪哉の助けを借りなかったとは思わなかった。
そして、雪哉が心の底から彼女を好きなのも明らかだった。
結局のところ、嫁は雪哉と一緒に暮らすのだから、彼が好きな人なら反対する理由はない。