工藤みやびは元々会社で会議を開くだけのつもりで、その後すぐに帰るつもりだった。
急に呼び出されたので、マスクも持っておらず、車には帽子が一つあるだけだった。
「丸山さん」
丸山みやこは内心歯ぎしりした。以前MGのバッグのせいで、パーティーで面目を失ったのだ。
しかも、MGから多額の賠償金を請求された。
今や、彼女はこのブランドのグローバルアンバサダーになっていた。
さっきショッピングモールで彼女の広告を見ただけでも腹が立ったのに、今や本人まで目の前に現れた。
しかし、周りに人がいるため、笑顔を作って挨拶せざるを得なかった。
「大スターはそんなに暇で、ショッピングにまで来るの?」
彼女が藤崎家から追い出されて、貧しい生活を送っていると思っていたのに、逆に芸能界に入って順風満帆な生活を送っているとは。