「同意できない」と本間壮佑は言った。
本間夢は彼を睨みつけた。「私は同意する!」
以前は隠れるばかりで、彼の傷の治療が遅れ、このような深刻な後遺症を残してしまったのだ。
今、治療できるチャンスがあるのに、彼はまだ彼女に対して気取っている。
「ここに留まれば、藤崎家がみやびの身元を疑うかもしれない…」
本間壮佑は工藤みやびを見て、心配そうに言った。
彼らはあまりにも親しすぎて、時には自分でも気づかないうちに、他人に疑わしく思われるような行動をとってしまうことがある。
そうなれば、もう言い訳もできなくなる。
「彼女が今のような状態で、彼女も私たちも何も言わなければ、誰が彼女が工藤みやびだと知るの?」と本間夢は言った。
彼、藤崎雪哉が千里眼を持っていて、彼女の体の中の魂を見通せない限りは。
本間壮佑はまだ自分の考えを曲げなかった。「とにかく、私たちがここにいるのは適切ではない」
「もし藤崎雪哉が彼女が工藤姓だからという理由で別れたいなら、そんな男はいらないわ」と本間夢は直接言った。
彼女が以前工藤みやびだったからって何?誰にだって過去に黒歴史はある、そんなことを気にしていられるの?
工藤みやびは落ち着いた表情で、真剣に言った。
「師匠、ここに残りましょう。まだ起きていないことを心配するより、まずはあなた自身の怪我を心配すべきです」
本間壮佑がまだ反対しようとすると、本間夢は直接言った。
「手術を受けないで切断して障害が残ったら、私は福くんを連れて再婚するわよ」
本間壮佑:「お前は…」
本間夢は挑発的に眉を上げた。「信じないなら試してみる?」
工藤みやびは笑みを漏らした。「本間夢と福くんのためにも、まずは自分の怪我を治すべきです。私と藤崎雪哉のことは…私自身が分別をわきまえています」
もし、本当に隠し通せなくなる日が来たら、彼女は彼に正直に話すつもりだった。
本間壮佑は彼女を見て、それから本間夢を見て、自分には反対する資格がないことを理解した。
「藤崎雪哉は本当に私たちを藤崎家に留めるつもりなのか?」
彼らを受け入れるのか、それとも彼らを近くに置いて、彼らと彼女の間の本当の関係を観察するためなのか。