天水ヴィラ、午後。
工藤みやびは石橋林人に電話をかけ、彼と助手の岡崎の近況、そして自分の仕事のスケジュールについて尋ねた。
石橋林人:「この数日間、君はずっと行方不明状態だったから、仕事の予定は入れていないんだ。しばらくはゆっくり休んで、予定が入ったら連絡するよ。」
彼は彼女に仕事を入れたいと思っていたが、三の若様が朝早く会社に来て、彼女が社長と生き別れになりかけたから、二人にしっかり再会の時間を与えるべきだと言ったのだ。
どうせ、彼女は女優になるのも遊びでやっているだけで、お金を稼ぐためではないのだから。
「わかったわ、対外的な広報は頼むわね。」工藤みやびは念を押した。
彼女がこれだけの日数行方不明になっていたのだから、ファンやメディアはきっといろいろと憶測を立てているだろう。