第618章 ちょくちょく抱きついたりキスしたり

「あなたは……子供が嫌いじゃなかったの?」工藤みやびは尋ねた。

「あなたが好きならそれでいい」

藤崎雪哉はそう言うと、車から降りて車の前を回り、彼女のためにドアを開けた。

工藤みやびは車から降りると、彼の腰に抱きついた。

「私が好きなのはあなた、一番好きなのはあなただけ」

彼女が今子供が欲しいと思うのは、彼の家族が彼らの関係に反対した時に、少なくとも子供のためにあまり彼らを苦しめないようにと思ってのことだった。

藤崎雪哉は自分の胸に顔を埋める少女を見下ろし、手を伸ばして彼女の弱々しい肩を抱き、頭を下げて彼女の柔らかい髪にキスをした。

やはり、本間壮佑が言っていたあの件のせいだ。

医者は彼女がストレスを抱えていると言った。最近の撮影現場での仕事以外に、おそらくそれ以上にあの件のせいだろう。