第682章 竹内家成が逮捕される

中山美琴との面会が不愉快に終わったため、竹内家成は家に帰ってから心配で一晩中眠れなかった。

そこで、朝食の時間を利用して、竹内薫乃に持ちかけた。

「薫乃、お母さんに会いに行って、よく説得してくれないか...」

「説得？」竹内薫乃は冷ややかに竹内家成を見つめ、皮肉を込めて言った。「喜んで刑務所に行くように説得するということ？」

今はこの事件に注目しているメディアや大衆があまりにも多く、確固たる証拠がなければ、彼女を救い出すことはできない。

しかし、こんな時に彼は彼女に母親を説得して喜んで刑務所に行かせろと言うのか、人間なのだろうか？

「お母さんを落ち着かせるように説得して、余計なことを言わないようにしてほしい。この騒ぎが収まったら、また彼女を救い出す方法を考えよう...」竹内家成は言い方を変えた。

中山美琴は今怒っているから、彼が行っても会おうとしないだろう。

しかし、彼女が警察の前で余計なことを言えば、彼も巻き込まれることになる。

竹内薫乃は彼の言葉の意味を察し、冷笑して鼻を鳴らした。

「お母さんがあなたの裏でやってきたことをばらすのを恐れているんでしょ。それなら早くどうにかすればよかったのに、お母さんを告発するときにはなぜそれを考えなかったの。」

母親は間接的な故意殺人を犯したかもしれないが、竹内家成もこの数年、違法なことをたくさんしてきた。

「お前は...」竹内家成は娘もこのような態度を取るのを見て、怒りが爆発しそうになった。

「もしお母さんが出てこられないなら、あなたはどうして無事でいられるの。」竹内薫乃は幼い頃から中山美琴と一緒に育ったので、当然彼女の味方をした。

竹内家成はそれを聞いて、テーブルを叩いて言った。

「私はこの家のすべてを守るためにやっているんだ。まず会社を守って、この騒ぎが収まったら、また母さんを救い出す方法を考える。お前は娘として少しも理解できないのか？」

彼は中山美琴が自分を理解してくれると思っていたが、昨日彼女は彼を脅したのだ。

「きれいごとを言わないで。この騒ぎが収まったら、お母さんは刑務所にいるのよ。どうやって救い出すの？刑務所を襲撃するの？」竹内薫乃は冷ややかに笑った。

彼女はこの実の父親がどんな人間かを見抜いていた。自分の利益のためなら誰でも犠牲にできる人だ。