第18章 パーティーの波乱！

神崎弥香が贈り物を林貴美子の前に差し出すと、彼女はそれを開けた途端、顔から笑みが消え、目の奥が急に暗くなった。

彼女は神崎弥香を人気のない隅に引っ張り、整った眉と目を下げて、低い声で叱った。「お義父さんがこんな大事なことをあなたに任せたのに、あなたはこんな見せられないようなものを持ってきて済ませるの？普段はしっかりしているから私は口出ししなかったけど、今回は本当に失望したわ。」

「お母さん、三神老夫人が若い頃に演劇を学んでいたと聞いたので、彼女が若い頃に着ていた衣装を探してきて、思ったんです...」

「黙りなさい。あなたは大勢の前で、名家の奥様の貧しい過去を暴露するつもりなの？やっぱりあなたは小さな家の出身だわ、人情世故が全くわかっていない。神崎翔の心を掴めないのも当然ね。言っておくけど、女性が名家に嫁ぐには顔だけじゃなく、頭も必要なのよ、わかる？」

神崎貴美子は怒りを抑えきれず彼女を見つめ、目には軽蔑の色が満ちていた。

接待に忙しかった神崎翔と神崎文雄は神崎貴美子からの電話を受け、急いでやってきた。神崎貴美子から事情を聞いた後、二人の顔色はすぐに沈んだ。

神崎翔は神崎弥香に迫り、目には抑えきれない怒りを浮かべた。「神崎弥香、お前はわざと神崎家を皆の前で恥をかかせようとしているのか。俺への復讐のためにこんなことをしたんだろう！」

「神崎翔、そんなことはないわ。」

「まだ否定するのか。」

「もういい、ここで喧嘩するのはやめろ。他の人に聞かれたら笑い者になる。今は急いで対策を考えるのが先決だ。時間を無駄にするな。」神崎文雄は神崎翔の肩を叩き、諭した。

「ここは市街地から遠いし、準備する時間もない。どうしようもないよ。」神崎翔は息を荒げ、不機嫌に返した。

神崎文雄は長いため息をつき、丸く収めようとした。「あの翡翠の如意の観音像はまだ良さそうだ。三神老夫人は仏教が好きだと聞いているから、これを贈れば何とか言い訳が立つだろう。貴美子、一緒に行こう。」

神崎貴美子は彼を一瞥し、冷たく鼻を鳴らした。「私も面目があるのよ。海浜市のお金持ちの奥様たちのお茶の話題になりたくないわ。」

「贈り物は私が選んだのだから、私が持っていきます。」神崎弥香は翡翠の如意が入った贈り物の箱を取り、皆がいる方向へ歩き始めた。