神崎弥香は彼を見つめ、疑わしげな表情を浮かべた。「あなたの助手?」
男は目を伏せ、何も言わなかった。
次の瞬間、神崎弥香はゆっくりとドアを開けた。
彼女は来訪者を見て一瞬固まった。ドアの外には不機嫌そうな神崎翔と、警備員の制服を着た中年の男性が立っていた。
中年の男性は笑顔を浮かべながら言った。「神崎さん、この方はご主人だと言っています。お電話が繋がらず、急ぎの用事があるとのことで、勝手にご案内してしまいました。」
「電話の充電も忘れるなんて。母さんが店舗をいくつか見せたいって言ってるから、早く部屋に戻って着替えて。私はすぐに会社に戻らないといけないんだ」神崎翔は彼女を一瞥し、せっかちに促した。
中年の男性は挨拶をして立ち去り、神崎翔は部屋に入ろうとした。
神崎弥香はリビングにいる男性をちらりと見た。彼は既に濡れたシャツを脱ぎ、広く引き締まった肩と八つに割れた腹筋、美しい人魚線を露わにしていた。