第92章 御曹司が霸気で神崎弥香を守る(終)

鈴木智恵は息を詰まらせ、頭上に雷が走ったかのようだった。彼女の顔は紙のように真っ青になり、叫び声を上げそうになった。必死に自制しようとしたが、それでも全身が激しく震えていた。

彼女は壇上の冷淡で無関心な男を見つめ、おびえながら何度も首を振って否定した。

彼女の瞳には恐怖の色が浮かび、そして頭を垂れ、歯の間から震える声で言葉を絞り出した。「い、いいえ、結構です!」

三神律の目に一瞬嘲笑の色が浮かび、それから命じた。「よし、ここまでにしておこう。」

この言葉から、彼がまだ証拠を握っていることは明らかだった。壇上の葉山新一は顔色を失い、怒りに満ちた表情を浮かべたが、軽々しく動くことはできなかった。彼の周りの審査員たちは、彼がもはや逆転できないことを知り、口を揃えて彼を嘲笑した。

「葉山教授がこんな悪事を働いていたとは思いもよらなかった。本当に我々業界の恥だ。」

「三神社長の言葉から察するに、葉山教授がやったのはこれだけではないようですね。本当に目を見張るものがありますよ。」

「葉山教授、川辺幹夫とあなたは同門の出ではないですか。まさかあなたが彼をこんな風に陥れるとは。あなたと鈴木智恵は本当に共謀した師弟の好例ですね。この五年間、あなたたちは栄光を享受し、川辺教授と神崎弥香は何年もの非難を受けてきた。あなたたちは本当に恥ずべき存在だ。」

葉山新一は逃げ場を失った。彼らと議論する余裕もなく、震えながら立ち上がり、審査員席から急いで離れ、会場から逃げ出した。同時に退場したのは彼だけでなく、神崎翔と神崎貴美子もいた。森本泉と河野北斗も映像が流れている間に会場から逃げ出していた。

会場の観客たちも黙ってはいなかった。皆が鈴木智恵に視線を向け、あれこれと批判し始めた。

「師のように父のようだと言っていたけど、ふん、本当に気持ち悪い。今日は目を見開かされたよ。男は教師面してるけど、ただの偽善者じゃないか。裏では何をしでかしているか分からない。女の方は弱々しく可哀想なふりをして、実は心が毒で内側が腐っている。コンテストで賞を取るためにこんな恥知らずなことをするなんて。」