第531章 あなたが松本時雄と協力するのは、実は私に対抗しているのよ、わかる？

カフェの中。

高橋優奈がコーヒーをかき混ぜているとき、松本時雄が彼女の前に書類を差し出した。女性は少し驚き、彼を見て尋ねた。「松本さん、これは何ですか？」

「ソングの補足案です。」

彼女は少し理解できない様子で「どういう意味ですか？」

松本時雄は姿勢を正し、書類を差し出したまま、落ち着いた声で言った。「簡単に言えば、もしTOPがソングとの提携を選ぶなら、将来横浜からアメリカへ輸出されるすべての遊具設備の海上輸送費は、すべてソングが負担します。これらの費用は私個人の収入から出し、その出所は絶対に正規のものです。」

高橋優奈は顔に驚きの色を隠さず、微笑みながら目の前の男性を見た。「松本さんはそれほどTOPのこのプロジェクトが必要なのですか？」

彼はストレートに簡潔に二文字を落とした。「必要です。」

「あなたは...なぜブロディと交渉しないのですか？この件の決定権は彼も50パーセント持っていますし、私に頼るのは絶対に賢明な選択とは言えないでしょう。」

松本時雄は彼女を一瞥し、直接言った。「高橋社長、今日の提案にあなたが同意するかしないかにかかわらず、彼に私たちが何を話し合ったかを伝えないでください。」

女性はうなずき、何も追求せずに口を開いた。「松本さん、率直に言いますと、TOPは公平と公正を主張する企業グループです。ですから双方が協力する際、ビジネス界で暗黙の了解とされているルールの前では、私たちもその規定を受け入れます。例えばこの海上輸送費は輸入取引においてTOPが負担すべきものであり、私たちはより多くの利益を得るためにこの業界の既存のルールを破るようなことはしません。これはソングへの敬意であり、また他の企業への敬意でもあります。」

ここまで言うと、松本時雄は思わず彼女を見つめた。

高橋優奈は口元を緩めた。「松本さんがこのプロジェクトのためにそれほど大きな譲歩をする意思があることに驚いています。松本さんには自分の計画があるのだろうと推測できますが、申し訳ありませんが、私は承諾できません。しかし松本さんは心配する必要はありません。元々の入札でソングも検討範囲内にありますが、結果はやはり私とブロディが話し合った後に決定します。」

「高橋社長がそこまで言うなら、俺はこれ以上強要しません。」

「松本さん、ありがとうございます。」