第17章 叔父様に感謝

林知恵は心を落ち着けて少し考えた後、唯一信頼できる女性警官に近づいた。

「お願いします……」

「ええ、わかりました」女性警官はうなずいた。

すべてを言い終えると、林知恵はようやく安心した。

女性警官を困らせないように、彼女は深呼吸して言った。「言うべきことはすべて言いました。あなたに他の人と対立させるつもりはありません。私をどう扱うべきか、そのようにしてください」

女性警官は林知恵に親切にしてくれた。もし彼女のせいで宮本深と対立することになれば申し訳ないと思い、大人しく手錠をかけられた手を上げた。

女性警官は彼女を躊躇いがちに見て、くすっと笑った。「実は……」

彼女は口を開いたが、その後の言葉がなかなか続かなかった。

そして意味深げに言った。「ここにいた方が一番安全だと思わない?」

「安全?」林知恵は少し理解できなかったが、それでもうなずいた。「ありがとうございます」

女性警官は言いかけてやめ、最後には何も言わずに首を振り、林知恵の手錠を外してから部屋を出て行った。

この事件はどういうわけかネット上に広まり、折木和秋はインタビューで涙目になりながら、この件は林知恵と関係ないと強調し続けた。しかし、その表情には我慢と悔しさが満ちており、さらには誤って自分の怪我をした腕を見せてしまった。

彼女は宮本深との交際を公表した後、天才ジュエリーデザイナーの名声で、ネット上に多くのファンを持っていた。

インタビューがアップロードされるとすぐに、熱心なファンたちは学校に集まり、林知恵に教訓を与えると誓った。

林知恵がそれを知ったとき、ようやく女性警官の言った「安全」の意味を理解した。

もし彼女が一人でこれらのファンに捕まったら、その結果は想像したくないものだった。

事件は一晩で発酵し、もはや収拾がつかない状態になっており、草刈誠の件までもがネット上に広まっていた。

ただし、事件の中で草刈誠は被害者に変わっていた。

林知恵は嫉妬から同級生を傷つけ、セックスを匂わせておきながら後で翻意した女として描かれていた。

彼女はネットにアクセスできなくても、警察の会話の断片からネット上の血なまぐさい状況を推測することができた。

林知恵は弁解もせず、静かに座って待っていた……

スーツをきちんと着こなした男性が現れるまで。彼は宮本家の首席弁護士だった。