第40章 同じ世界ではない

これは確かに林知恵が予想していなかったことだった。

折木和秋は彼女を抑え込むためにあらゆる手段を使うつもりだった。

誰が誰の作品をパクったのか、折木和秋は誰よりも明確に知っているはずなのに、今になって彼女を盗作で訴えようとしている。

「参考にした」という言葉の使い方が実に巧みだ。

記者が皆に注意を促したように、林知恵は事前に折木和秋のデザイン案を見ていた。

参考にしたことを認めれば、それは折木和秋が自分より優れていることを認め、だからこそコンテスト作品でも折木和秋のものを参考にしたということになる。

参考にしたことを認めなければ、それは強情を張っているだけで、この2位も名誉あるものではなくなる。

折木和秋は傍らで丸く収めるように言った:「皆さん、そんなことを言わないでください。知恵さんに参考にされるのは私の光栄です。」