第41章 悪口を聞かれた

レストラン。

ウェイターが料理を運んできた後、林知恵はそれが全て自分の好物だと気づいた。

彼女は向かいに座る宮本康弘を見て、感動で一杯になった。「お兄さん、こんなに覚えていてくれたなんて。」

宮本康弘は彼女にスペアリブスープを一杯よそい、穏やかに微笑んだ。「覚えているよ。君が実は食いしん坊だってことも覚えている。ただ家の食卓では遠慮して食べないだけだったね。」

林知恵は目の前の湯気の立つスペアリブスープを見つめ、心に感慨を覚えた。

思わず顔を上げて、目の前の温和で気配りのある男性を見つめた。

彼女はもはや彼の結末を無視することができなかった。

全てを失い、遠い国へ追いやられ、二度と戻れない。大奥様が死の間際に故郷に帰りたいと願っても、それすら拒否された。

その人物こそが...宮本深だった。