林知恵が寮に戻ると、仕事から帰ってきたルームメイトたちがすでにケーキと花を用意していた。
「おめでとう!おかえり!」
「ありがとう。」
彼女は感動してルームメイトたちから花を受け取った。
「知恵、ネットであなたがジュエリーについて解説していた部分を聞いたんだけど、なぜか泣きそうになったわ。」
「それに折木和秋に言い返したの、最高だったわ。」
「そうそう、ネットの件だけど、心配しないで。私たちがあなたの過去の成績を全部投稿したから、ほとんどのネットユーザーはバカじゃないし、専攻首位って何か分かるわよ!折木和秋が誤ってイイネしたのは、今頃後悔してるでしょうね。」
それを聞いて、林知恵は少し驚き、急いでスマホを開いた。
ネット上の意見は完全に覆ったわけではないが、すでに多くの人が真相に気づいていた。
「これは学校が認証した成績だよ。まさか林知恵が全ての専門教授と寝たとでも言うの?女性教授もたくさんいるのに。」
「誤タップ?私から見れば、ある人の脳みそはツルツルで、少しでもシワがあればこんなことしないよ。脳なしファンだけがまだ擁護してる。」
「あなたたちは私たちの和秋が美しくて優しいこと、そして三男様のような婚約者に守られていることが妬ましいだけよ。」
「誤タップだって言ってるでしょ。わざとなら、和秋が謝る必要ないじゃない?」
林知恵は読み終えると、顔を上げてルームメイトたちを見つめ、言いたいことは山ほどあったが、「ありがとう」以外の言葉が見つからなかった。
前世では彼女たちが自分を助けてくれた。今世でも、やはり彼女たちが自分を助けてくれた。
「ありがとう。」
「もういいよ、お礼はいいから、早くケーキを切って。みんな待ちきれないわ。」
ナイフとフォークを持った小皿を握りしめたルームメイトが口をとがらせた。「あなたは待ちきれないんじゃないでしょ…」
別のルームメイトが笑いながら言った。「面白い話があるの。さっき帰ってきたとき、深田紅のルームメイトが言ってたんだけど、彼女が…下痢で力尽きて、しゃがみ式トイレに落ちたんだって。顔の半分がウンコだらけで、救急隊員が家族に連絡が取れなくて、先生に連絡したら、ちょうど周りに多くの学生がいて全部聞こえちゃったんだって。」
「うわぁ…もうケーキ食べられなくなるじゃない?気持ち悪い。」