呼吸できるようになった林知恵は冷や汗をかきながら、途切れ途切れに言った。「私、私の手が……」
突然動きを止めた宮本深は、荒い息を吐きながら、首筋の血管を脈打たせ、やっと体を起こして彼女の手を取った。
林知恵は突然体を翻して布団にくるまった。
駆け引きを覚えたようだ。
宮本深は一瞬止まったが、怒る様子もなく、そのまま'粽'の横に横たわり、手を伸ばして人と布団ごと抱きしめた。
彼は横向きに頭を支え、彼女の耳元に近づいて低い声で言った。「何回逃げられると思う?」
林知恵は反論したかったが、体がそれを許さなかった。さっきの一瞬で残っていた意識をすべて使い果たしていた。
今、彼女は宮本深の声がどんどん遠くなっていくのを感じ、最後には完全に暗闇の中に落ちていった。
深夜、林知恵の下がっていた熱が再び上がり、彼女は朦朧としていた。