高級ブランド店。
林知恵は入店して名前を告げると、店員は非常に熱心に彼女を迎え、席に案内してお茶菓子を出した。
「林さん、少々お待ちください。ドレスを持ってきて確認していただきます」
「はい」
林知恵はお茶を一口飲み、ちょうどリラックスしようとしたとき、向かいの画面ではパーティーのレッドカーペットの生中継が流れていた。
おそらくこのブランドが何かの有名人をサポートしているのだろう。
林知恵は宮本深の言葉を思い出した。パーティーの報道に注目するようにと言われたことを。
なぜ彼の言うことを聞かなければならないの?
彼女はテーブルのリモコンを手に取って消そうとしたが、ちょうどそのとき店員が画面の前に立った。
「林さん、ドレスが届きました。ご確認ください」
「ええ」
林知恵はため息をつき、リモコンを置いて立ち上がりドレスに近づいた。