第165章 彼とは話があるの?

心の病気?

この四文字を聞いた時、目を覚ましていた林知恵は寝たふりを続けることにした。

木村悦子は彼女が以前精神病を装って暴れたことに驚いたのだろうか?

心理治療を受けたことがあるかどうか、自分自身が知らないはずがない。

彼女は心理医を見たことがなかった。

木村悦子がどんなことを言い出すのか聞いてみたかった。

病室内で、宮本深の目は暗く曇り、まるで黒い雲に覆われているようだった。

「彼女はない。もしあったとしても、彼女の母親の性格からして、兄に隠すことはできないはずだ」

「それが不思議なんです」木村悦子は顎を掴んで考え込んだ。「以前彼女が草刈誠のことで心理的反応を示し、その後ストレスで視力を失った時、何か変だと思ったんです。彼女の症状を友人と話し合ったところ、友人の結論は彼女がこの方面の治療を受けたことがあるはずで、だからこそストレス反応があっても自己暗示で調整できるということでした」