食事会の場所はより高級なレストランに変更され、プライバシーも比較的良くなった。
入り口を入ると、紙醉金迷の贅沢な雰囲気が漂っていた。
個室内の長テーブルは非常に趣味良く装飾されていた。
雪村真理は入るなり数人の外国人と頬を寄せる挨拶をし、丁寧に着席した。
林知恵は黙って後ろについて行き、数歩歩いたところで、突然大きな影が前に立ちはだかった。
「やあ、お嬢さん」
声を聞いて、林知恵は顔を上げると、なんと彼女が大好きなイタリアのデザイナーの一人だった。
マーク。
聖書から取られた、イタリアでは非常に伝統的でよくある名前だ。
しかし彼のデザインは斬新でインパクトがある。
彼のデザインはすべて自分のインスピレーションの女神から来ていると言われている。
きっと一途な人なのだろう。