「知恵、どうしたの?」桑田剛が声をかけた。
林知恵は我に返り、スマホを置いた。「蘭子が独身パーティーの日程を確認してきたの。仮装舞踏会の衣装を用意してくれたって」
「仮装舞踏会?彼女は本当に葉山姫奈の提案を聞き入れたんだな」桑田剛は小声で言った。
「葉山姫奈?仮装舞踏会は彼女の提案だったの?」林知恵は好奇心を抱いて尋ねた。
「ああ、昨日蘭子から聞いたんだが、彼女は海外である有名な仮装舞踏会に参加する予定だったけど、怪我をしたせいで行けなかったんだ。だから葉山姫奈が結婚前に彼女のその願いを叶えてあげたいと思ったらしい」
怪我の話を聞いて、林知恵は無意識に自分の手を見つめた。
桑田剛は彼女の視線に気づくと、すぐに言った。「行きたくないなら、蘭子に断る手伝いをするよ」