第381章 第三の人物は誰か

林知恵と桑田剛はやはり予定通り婚約することに決めた。

そのニュースが出るとすぐに、山下穂子は金庫を持って彼女を訪ねてきた。

その時、家政婦会社がちょうど家の片付けを終えたところだった。

彼女は断捨離中で、いらないものは捨て、残りはそのままスーツケースに入れるつもりだった。

夜長夢多を防ぐため、彼女と桑田剛は婚約したらすぐに海城へ行って形式的な挨拶をすることに決めた。

宮本家の全員に彼女が桑田家に入ったことを知らせ、それから二人は海城から海外へ出発する。

この旅は、おそらく数年になるだろう。

山下穂子は部屋に入って床のスーツケースを見て、しばらく呆然としていた。彼女は瞬きをして、やっと涙をこらえた。

「これで、もう私から離れていくの?」

「お母さん、永遠の別れじゃないよ。前はお金持ちを見つけて早く嫁げって言ってたじゃない」と林知恵は笑った。