第381章 第三の人物は誰か

林知恵と桑田剛はやはり予定通り婚約することに決めた。

そのニュースが出るとすぐに、山下穂子は金庫を持って彼女を訪ねてきた。

その時、家政婦会社がちょうど家の片付けを終えたところだった。

彼女は断捨離中で、いらないものは捨て、残りはそのままスーツケースに入れるつもりだった。

夜長夢多を防ぐため、彼女と桑田剛は婚約したらすぐに海城へ行って形式的な挨拶をすることに決めた。

宮本家の全員に彼女が桑田家に入ったことを知らせ、それから二人は海城から海外へ出発する。

この旅は、おそらく数年になるだろう。

山下穂子は部屋に入って床のスーツケースを見て、しばらく呆然としていた。彼女は瞬きをして、やっと涙をこらえた。

「これで、もう私から離れていくの?」

「お母さん、永遠の別れじゃないよ。前はお金持ちを見つけて早く嫁げって言ってたじゃない」と林知恵は笑った。

そう、彼女と桑田剛の協力関係については、山下穂子にも話していなかった。

桑田剛によると、宮本家の清明節の家宴の名簿はすでに出ており、宮本石彦と山下穂子の名前はなかった。

しかし桑田剛という姻戚は名簿に載っていた。

老人が彼らの夫婦を標的にする決意を固めたことは明らかだった。

彼女はこれ以上山下穂子を心配させたくなかったので、山下穂子は今でも彼女が桑田家に嫁いで桑田夫人になると思っていた。

山下穂子は目頭を押さえた。「あなたのことを知らないわけじゃないでしょう?私はただ言っただけよ、本当にあなたを適当に嫁がせるわけないじゃない。幸い桑田社長はいい人ね」

林知恵は何も言わず、ただうなずいた。

そう言いながらも、山下穂子の表情は緩んでいなかった。

彼女は心配そうに言った。「でも...子供はどうするの?桑田社長に言ったの?私は少し虚栄心があるけど、こんな天地を欺くようなことは、本当にできないわ」

「お母さん、何を考えてるの?私はもう言ったよ、彼は同意したの。子供は普通に生まれるけど、あなたはこの子の存在を忘れた方がいい。永遠に言及しないで。そうしないと私と子供が危険にさらされるし、桑田社長まで巻き込むことになる」

林知恵は山下穂子をよく知っていた。臆病で物事を恐れるが、彼女のことに関しては特に重視していた。