第407章 あなたの子供が奪われそうだ

木村悦子は山田照夫の言葉に呆れて、焼き餃子を一つ摘まんで投げつけた。

「余計なこと言うな!」

山田照夫は皿で焼き餃子を受け止め、そのまま口に入れた。

「三男様と林さんの婚約がどういうことか、私たちはよく分かっている。桑田家が許せば、林さんが反対しても無駄だ。でも今の林さんは洗脳されたような状態だから、気をつけた方がいい。」

田中慎治と木村悦子は桑田蘭子が思い込みの激しい様子を見たことがあり、強く同意して頷いた。

そのとき、田中慎治と山田照夫の携帯が同時に鳴った。

どちらもメディアからの連絡だった。

山田照夫は携帯を見終わると、顔を上げて田中慎治を見た。「同じ内容?」

田中慎治は読み上げた。「桑田社長が婚約者と共に港町に到着。」

写真には驚いたことに桑田剛と林知恵の3年以上前の写真が使われていた。