第464章 私は精進料理を食べるつもりはない

白川若菜がそう言った以上、林知恵には断る理由がなかった。

「白川お嬢様に協力させていただきます」

「うん」

白川若菜は微笑んだ。

雪村真理は二人の会話が順調に進んでいるのを見て、立ち上がって言った。「あなたたち二人の能力なら、きっと過去の記念ジュエリーデザインを超えられると信じています」

「必ずやります」白川若菜は自信を持って答えた。

林知恵は大言壮語するのを避け、ただ微笑むだけだった。

しばらくして、二人は雪村真理のオフィスを後にした。

林知恵はもともと白川若菜に挨拶をするつもりだった。

「白川お嬢様…」

「林さん、私はまだ用事がありますので、先に失礼します」

白川若菜は林知恵の言葉を遮り、身を翻して去っていった。

林知恵は遠ざかる背中を見つめ、なぜか見覚えがあるような気がした。