「護身術?」
宮本深は林知恵の細い腕と足を見た。
彼は片手で彼女を制圧できるだろう。
林知恵は宮本深の少し笑みを含んだ視線に気づき、すぐに反応した。
彼女は立ち上がって言った。「何よ?私を見くびってるの?民宿にいた時だって、一人でもかなりの荷物を運べたわよ」
「疲れる」宮本深はストレートに言った。「それとも腕時計を特注してあげようか?」
「もう無駄よ。以前から彼らは私が位置情報を持ち歩くのを知ってるから、今じゃ私を見るなり怪しいものがないか観察してる。本気で私を陥れようとしたら、きっと全身を隅々まで調べられるわ」
それはもっと危険ではないか?
宮本深の瞳が一層深くなった。「お前を密かに守るボディガードを雇おう」
林知恵は眉をひそめた。「そういう意味じゃないの。人に頼るより自分で身を守る方がいいと思うの」